はじめに
Big4とはデロイト、PwC、KPMG、EYの4グループの総称で、各グループがグローバルに監査、コンサルティングなどの事業を展開しています。
本記事では、Big4の各グループに属するFAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)ファーム(DTFA、KPMG FAS、PwCアドバイザリー、EY)の各社について様々な観点から比較していきたいと思います。
転職活動や就職活動をされており、FASに興味がある方はぜひ参考にしてください。
データソース:
各社の社員数
- DTFA:2177人
- KPMG FAS:1018人
- PwCアドバイザリー:1061人
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング(SaT事業部):619人
※コンサルティングとFASが別会社として運営されている他ファームと異なり、EYはコンサルティングとFASを同一の会社で運営している。SaT事業部は他ファームにおけるFASのような立ち位置。
社員数についてはDTFAが他3社より圧倒的に多いです。また、KPMG FASとPwCアドバイザリーは同程度、EYは最も少ない人数となります。
こちらの人数は各社の採用人数とも比例しているのではないかと考えます。
筆者の感覚では、DTFAがかなりの大量採用で、入社する方を頻繁にお見掛けしますが、EYに行く方はあまり見かけないです。
下記記事では、日系FASも含めた各社の社員数を調査しています。
ご興味があればご確認ください。
各社のディールサイズ
ファイナンシャルアドバイザーとしてBig4各社が関与した案件の取引金額や案件数は「リーグテーブル」で確認できます。
下記に2024年1月-6月、公表案件ベースの各社のランクバリュー・案件数・1件あたりの取引金額(ランクバリュー/案件数)を示します。
※あくまでファイナンシャルアドバイザーとして関与している案件ですので、事業戦略等の戦略系案件などは取引金額には含まれません。
LSEG「日本M&Aレビュー2024年上半期 フィナンシャル・アドバイザー」を参考に作成
特徴的なのはデロイトとKPMGの2社です。
デロイトはランクバリューでは4社中3位ですが、案件数は圧倒的なトップでした。また、その影響でランクバリュー/案件数で計算される1件当たりの取引金額は他社よりかなり低い状況です。小ぶりな案件は多いですが、ディールフローが豊富なため、多くの案件に携わり、M&Aの全体像を理解したい方にはお勧めできるファームかと思います。
KPMGはランクバリューでは2位以下に大差をつけ1位です。また、1件あたりの取引金額も他社よりかなり高い状況です。新聞に記載されるような大きな案件に携わりたい方にはおすすめファームだと考えます。
※上記はあくまで筆者のイメージであり、実態については各社の社員の方の話を聞くことをおすすめします。
初任給
下記に、新卒1年目でもらえる初任給額について示しています。
- DTFA:550万円
- KPMG FAS:465万円+賞与
- PwCアドバイザリー:635万円-665万円
- EY:600万円
各社の詳細な給与・勤務条件などについては下記の記事に記載していますので、気になる方はご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
入社後に希望する働き方が可能か、目指すキャリアが実現できるかを確認するためには、様々な角度から企業を比較することが非常に重要です。本記事では人員数・ディールサイズ・初任給についてBig4 FASファームを比較しました。
ご自身が人員数の多いファームで働きたいのか、少人数のファーム(といってもBig4各社はブティック系のファームに比べるとかなり大規模ですが)で働きたいのか、大きなディールに携わりたいのか、小さくても多くの案件に携わりたいのか、などを具体的にイメージすることが重要だと考えます。
本記事が皆様のご参考になれば幸いです。